試合に臨む際、頭に入れておくべき、すべての要素「天地人」。直江兼継ではありません。太陽の位置や風などの気象条件「天」、コート、サーフェース「地」、相手の特徴、自分、パートナーの調子、我彼の得意、不得意「人」。「天」と「人」は昔から変わっていませんが、大きく変わったのは、「地」です。昔はクレイのみだったのですが---。
コートは、現在、クレイ、砂入り人口芝、屋内(木材など)、ハード、グラス(grass)、の大きく5種類に分類されますが、ハードやグラスはソフトテニスでは使われません。ソフトテニスの屋外では、クレイと砂入り人口芝の2種類です。
硬式テニスで、「クレーコート」と言えば、全仏オープンにおけるナダルの4連覇が示すように圧倒的にベースラインプレーヤーに有利な、球足の遅いコートと認識されています。しかし、ソフトテニスでは、全く逆になり、クレイは最も「球足が速いコート」になります。また、砂入り人口芝コートと比べると、クレイコートの方がボールのバウンドが少し高く弾むので、トップ打ちの機会が多くなります。従って、強打のプレーヤーが有利なコートということになります。
現在大会が行なわれる、県営大宮第2公園テニスコート(22面)、川口青木公園テニスコート(12面)、天沼テニス公園(12面)、熊谷ドーム(16面)、浦和総合(4面)すべて砂入り人口芝コートです。全国的に見てもソフトテニスの大会はほとんどすべて同じです。昔はなかった、「砂入り人口芝コート」、一体どういうものなのでしょう。
「砂入り人口芝コート」は、一般的に住友ゴムの商品名である「オムニコート」と呼ばれています。オーストラリア、日本以外では、稀なサーフェースで、日本以外ではオムニコートで硬式テニスの公式戦はありません。特徴は、天候に左右されないことや、メンテナンスの容易さ、維持費の安さ、平坦性、安全性が挙げられます。ハードコートよりクレーコートに近いコートですが、構造的には、ベースはハードコートだということが分かります。クレーを好むソフトテニスとハードを好む硬式テニスが共存する、日本の特殊事情から生まれた「妥協の産物」として、1990年代から急速に普及しました。
構造は、@地盤A砕石層(15p)B透水アスコン層(5p)C透水性基布・パッキング、D透水性オムニ芝(耐候性ポリプロピレン、1.9p)と、目砂(特殊調整硅砂)というものです。
若干の違いはありますが、スポーツ用人口芝は同じような構造です。ホッケー、アメフト、野球、サッカー、ゲートボール、校庭など、日本のスポーツには欠かせない「環境」になっています。
テニスを始め、サッカー、ラグビー、ゴルフなど「スポーツ発祥の地、イギリス」では、学校や公園、競技場、どこでも芝生に覆われています。人口芝に頼らざるを得ない「日本の環境」は、いたしかたない、と言う他ありません。
球足がクレイに比べ遅く、弾みが少ないオムニコートは、強打のプレーヤーより、球持ちが良く、アングルショットが打てるプレーヤーに有利なコートです。また、スライスショット、ツイスト、カットサービスがクレイコートより有効となる為、それらを使わない手はないと思うのですが。
「試合で練習の力が出ないうちに負けてしまった」とはよく聞く現役の敗戦の弁です。その原因として、メンタル面や対戦相手の「相手に力を出させない戦術」がよく指摘されますが、「地」の問題もあるのではないでしょうか。浦高コートはクレイ、大会では砂入り人口芝コートです。フットワークにおける微妙な滑りの違い、ボールのバウンドの違い、それらの違いに慣れる前にゲームセットでは練習の力は発揮できないでしょう。練習コートが既にオムニコートであれば、全く違和感なくゲームが出来ます。川越東高は6面、川口総合高は4面オムニコートです。ほとんどの高校はクレイコートですが、大宮西高は、自校に5面あるにもかかわらず、ナイター設備のある天沼オムニコートで平日、週3、4回、時には夜9時まで練習しています。
コートのデコボコに困ることが皆無で、ローラー引きも要らず、雨が降っても関係なく、ラインもきれい、使用後のブラッシングだけで、いつも最高のコンデションが保てる、大会と同じオムニコートで練習したいと、どの学校でも、願っています。昨年現役にアンケートで「OB会への要望」を書いてもらったところ、一番多かったのがコートに関することでした。
オムニコートはいいことづくめですが、難点は何といっても初期費用が高いことです。表層だけで1平方m1万円程度です。2面で軽く2千万円以上はかかるでしょう。
次善手で「公営テニスコートを借りて、土日にみっちりやればいいじゃないか」と思う方も多いと思います。
公営テニスコートでプレーするには、県営テニスコート(大宮第2など)は1か月前、市営テニスコート(天沼など)は、3か月前に、インターネットの「公共施設予約システム」から抽選に参加しなくてはなりません。土日は抽選倍率がいつも10倍を越え、予約を取るのは至難の業です。自前のコートを持たないほとんどの一般クラブは、総出で抽選に臨みます。「あずまクラブ」は50人が6か所の公営コートの抽選に参加して練習場所を確保しています。さいたま市だけでも、ソフトテニス、硬式テニスのクラブは100以上あるのではないでしょうか。すべてのクラブにとって、「あずまクラブ」のように「練習場所の確保」が最も大変な「作業」なのです。
その点、浦高麗和会はいつでもテニスができる年会費5,000円のクラブです。こんな格安で恵まれたクラブは日本中どこを探してもありません。
24日(日)に総会、新年会が開かれます。
ハイレベルなライバル校に挑む浦高ソフトテニス部をどうバックアップしていくか、若手OBの無関心層をどう活性化していくか、などを考える大事な会合です。また、久し振りに老若(男女とはいきませんが、残念ながら)顔を会わせ話が出来るとてもいい機会です。参加申込をなされていない方も結構ですので、是非お出で頂ければと存じます。
@ 期日 1月24日(日)13:00受付開始
A 場所 さいたま市民会館うらわ(ロイヤルパインズホテルの裏)605号室、603号室
B 内容 「総会」 H20.事業・決算報告、H21.事業・予算案、役員改選、その他
「講演会」 吉沢一成氏(高13) 演題「開高健とともに起承転結」
「新年会」 15:00〜 会費は¥3,000です。新年会のみの参加も歓迎です。
また、2010年会費をまだお支払い頂いてない方、お手数ですが、是非「振込」をお願い申し上げます。お忙しく、練習や試合の応援に行く時間のない方、財政的支援という形で現役をバックアップして頂ければ、幸いです。
[会費納入先]は、郵便局振替口座 00160−3−584057 「浦和高校ソフトテニス部麗和会」です。 年会費は5,000円です。浦高卒業後10年間は3,000円、学生は1,000円です。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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